Welcome to my blog

『ガイドリングによるラインの耐磨耗性&劣化速度簡易実験』

ばんぱく

ばんぱく

よく『ハードロイ系ガイドリングはSICガイドリングに比べて放熱性能に劣る。よって摩擦熱によるラインの劣化が早く、ナイロンラインやフロロカーボンラインに比べて、基本的に摩擦に弱いPEラインにハードロイ系ガイドリングは向かない』といいますが、それって本当なのでしょうか?

昨日、ブロガー仲間のlunamaggotさんのブログのコメント欄でそのようなことを話していたのですが、本日lunamaggotさんのブログのコメント欄を見てみると、『書いていてちょっと自分で実験をやってみたくなりました』との返事が

そこで『物は試し』『試してガッテンということで、『ガイドリングの種類によって、ラインの耐磨耗性や劣化速度は変わるのか?』を非常に簡単な手法ではありますが、ちょっと実験してみることにしました

                 TEST2
       
今回サンプルとして用意したのは『YGKよつあみ/ガリス ベイサイドシーバス1.5号(16lb)』。ダイニーマにエステル単糸を組み合わせたシンキングタイプのPEラインで、自分が初めて使ったPEラインでもあります

                 TEST3

コイツを自分が普段シーバスゲームに使っているシーバスロッド二種類(『OLD RYOBI/EntertainerSpecial902L(ハードロイ系ガイドモデル)』『シマノ/マグナムライトファイティングロッドR66M(SICガイドモデル)』)のトップガイドに通し、両手でテンションをかけながらラインを往復させて、ラインの変化を見るという、非常に原始的かつ簡単な方法でテストしてみました

                 TEST1

まずは試しにそれぞれのガイドリングでテンションをかけながらPEラインを100往復させてみますが…見た目のラインの変化は全くと言っていいほど起きません

そこで更に、PEラインを続けてテンションをかけながら100往復(合計200往復)させてみますが、やはりラインのコーティングが剥がれるとか、ライン表面が毛羽立つとかいう見た目の変化は殆ど起きませんでした

当然のことながら、ガイドリング表面にも一切変化はありません(熱量の変化を感知できるサーモグラフとかがあれば、もしかしたら各ガイドリングに蓄積されている熱量の変化などが分かったかも知れませんが←そんな物、一般人は普通持ってないって)

                 TEST5

但し、PEラインの表面に変化はなかったものの、『ハードロイ系ガイドリング』に通して往復させたPEラインの方が、『SICガイドリング』に通したものよりも、若干ラインがコイル状に成りやすい(⇒ラインが劣化しやすい?)というなかなか面白い結果がでました(上記画像のPEラインが『ハードロイ系ガイドリング』下記画像のPEラインが『SICガイドリング』でそれぞれテンションをかけながら200往復させたもの)

                 TEST4

これはガイドメーカー(Fujiガイド)がよく言う『リング素材による放熱性能の違い』によって現れた、摩擦熱によるラインへの影響なのかも知れません

さて、この後も三回ほど同じ実験を続けてみましたが、結局PEライン表面に見た目で分かるような変化は『ハードロイ系ガイドリング』『SICガイドリング』共に起こることはありませんでした

今回はサンプルとして使ったPEラインが『ダイニーマにエステル単糸を組み合わせたシンキングタイプ』というちょっと特殊なものだったので、もしかしたらライン表面に何の変化も起こらなかったのかも知れませんが、たしかに若干『ハードロイ系ガイドリング』の方がラインの劣化(ラインがコイル状に成りやすい)が早いものの、ルアーフィッシングの世界で、さも常識のように言われている『ハードロイ系ガイドリングでは、PEラインは使えない』という結論には至らないような気がします

因みに良く言われる『ラインでガイドリングが削れる』という話ですが、個人的には一度フィールドで使ったライン(⇒海水や水中の浮遊物を大量に含んだライン)で、相当なラインテンションを毎回かけた状態でリトリーブを行なわないとまず起こらない現象だと思われます(おそらくガイドリングが削れる前に、ラインその物が駄目になってしまうでしょう)
あと『ハードロイ系ガイドリングでは、PEラインは使えない』と言われるのは、PEラインが編み糸という構造上、海水や水中の浮遊物を含みやすく、その結果ライン状のヤスリとなって硬度的に劣る『ハードロイ系ガイドリング』を削る可能性がある事と、『ハードロイ系ガイドリング』『SICガイドリング』より放熱性能に若干劣るため、ガイドリングに蓄積される熱により、PEラインが多少劣化し易い点を大袈裟に取り上げているだけのような気が個人的にはします(実際ルアーフィッシングやサーフの投げ釣り以外では、日本でも未だに『ハードロイ系ガイドリング』が一般的に使われているロッドも多いようですし)

正直なところ、安価な『ハードロイ系ガイドリング』でも、実釣に於いてまったく問題ないと思われますが(特に『アルコナイトリング』『ジルコニアリング』であれば、殆ど『SICガイドリング』と遜色なし)、まあ、ガイドリング市場が『Fujiガイド』に実質独占されている現状が変わらない限り、日本のルアーフィッシングに於ける『SICガイド至上主義』が簡単に変わることはないでしょうね┐(゚~゚)┌

ガイドリングによるラインの耐磨耗性&劣化速度簡易実験 ハードロイ系ガイドリング SICガイドリング

関連記事
最終更新日-0001-11-30
Posted byばんぱく

Comments 12

There are no comments yet.
銀時  

考えた事はありましたが、実際に試した事が無いので勉強になりましたo(^-^)o

情報ほどは影響は無いんですねιι
もしも試してガイドに傷が着いたらと思ってできなかったですf^_^;

2011/01/14 (Fri) 00:43 | EDIT | REPLY |   
lunamaggot  
No title

実は昨日あのコメントの後に体調が優れないのにも関わらず試して本日付けでエントリーが上がっています(笑)
私の結論はアルコナイトリングもハイアロイリングも「1000回もゴシゴシしたのに(笑)」といったところです。

2011/01/14 (Fri) 08:26 | EDIT | REPLY |   
FJ  
No title

なるほどー。
実際釣りしてても問題なかったので、それほど重要視していませんでしたが、この結果を見て安心しました。

それに、メジャークラフトのソルパラのエギングモデルなんかはローライダーガイドでハードロイリングじゃないでしょうか?
ダイワやシマノのエントリーモデルもそうだったような気がします。

たぶん、SiCに比べてリングにキズが入りやすいので、キズがついた場合はラインに影響が出るという意味なのかもしれません。

2011/01/14 (Fri) 13:31 | EDIT | REPLY |   
いくら  
No title

なるほど、勉強になります。
長年使い続けているハードロイガイドのロッドを見てみましたがやはりガイドリングは削れていますね。
それよりも個人的にはハードロイ系ガイドは糸鳴りと滑りが悪いような気がするので(ほんと”気がする”だけなんですけどね 笑)SICが好きですかね~。
ただ、たしかに価格差から考えると圧倒的にハードロイ系ガイドのほうがコストパフォーマンスは高いと思います。

2011/01/14 (Fri) 17:57 | EDIT | REPLY |   
ばんぱく  

銀時さん、こんばんは。コメントありがとうございます

> 考えた事はありましたが、実際に試した事が無いので勉強になりましたo(^-^)o
> もしも試してガイドに傷が着いたらと思ってできなかったですf^_^;

釣りをある意味仕事としている米国のバスプロが、ハードロイガイドで普通にPEラインを使っているのですから、実用上は何の問題もないと思います。因みにSICガイドはハードロイガイドより硬く、放熱性能が高いのは間違いありませんが、その反面、瞬間的なショックで割れやすいという欠点があります

2011/01/14 (Fri) 18:30 | EDIT | REPLY |   
ばんぱく  

lunamaggotさん、こんばんは。コメントありがとうございます

> 私の結論はアルコナイトリングもハイアロイリングも「1000回もゴシゴシしたのに(笑)」といったところです。

流石に1000回もゴシゴシする時間と気力はありませんでした(笑)。もしよく言われる『ラインでガイドリングを削る』となると、いったい何回ラインで擦ればいいのやら(ガイドリングが削れる前にラインが切れるのがオチだと思いますが)

2011/01/14 (Fri) 18:34 | EDIT | REPLY |   
ばんぱく  

FJさん、こんばんは。コメントありがとうございます

> 実際釣りしてても問題なかったので、それほど重要視していませんでしたが、この結果を見て安心しました。

ラインに『極細スチールワイヤー』でも使わない限り、通常の使用で『ラインでガイドリングが削れる』なんてことはまず起きないと思いますね、自分は(石英などの微粒子が大量に水中で漂っているような特殊な場所で釣りをするなら話は別ですが)

> メジャークラフトのソルパラのエギングモデルなんかはローライダーガイドでハードロイリングじゃないでしょうか?
> ダイワやシマノのエントリーモデルもそうだったような気がします。

調べたところ、メジャークラフトのソルパラのエギングモデルは『SICガイドリング』採用モデルですね。ダイワやシマノのエントリーモデルは一部のモデルにのみ、トップガイドだけ『SICガイドリング』を採用しているものがあります(大体においてダイワやシマノのエントリーモデルは、最初からPEラインの使用を想定していないものが殆どです(もっともPEラインを使ってもまず問題ありませんが))

> たぶん、SiCに比べてリングにキズが入りやすいので、キズがついた場合はラインに影響が出るという意味なのかもしれません

一応工業用ダイヤモンドに近い硬度を持っているのが、『SICガイドリング』のウリの一つですからね。反面『ハードロイ系ガイドリング』と比較して、欠けたり割れやすいのが欠点なのですが

2011/01/14 (Fri) 18:48 | EDIT | REPLY |   
ばんぱく  

いくらさん、こんばんは。コメントありがとうございます

> 長年使い続けているハードロイガイドのロッドを見てみましたがやはりガイドリングは削れていますね。

削れていますか?ハードロイガイドリング。一度ラインで削れた状態のハードロイガイドリングを実際に見てみたいのですが

> それよりも個人的にはハードロイ系ガイドは糸鳴りと滑りが悪いような気がするので(ほんと”気がする”だけなんですけどね 笑)SICが好きですかね~。

見た目の質感はSICの方が若干上ですからね(『アルコナイトリング』『ジルコニアリング』だと、あまり変わりませんが)。因みにSICと比較して、ハードロイ系ガイドは若干糸鳴りが大きく、ラインの滑りが悪いのは、Fujiガイドの公表データ的に見ても間違いはないと思います(ただし、その違いが釣果に影響する事はあまりないと思いますが)

> ただ、たしかに価格差から考えると圧倒的にハードロイ系ガイドのほうがコストパフォーマンスは高いと思います

流石に旧式のハードロイ系ガイドは見た目が悪いので、せめて『アルコナイトリング』『ジルコニアリング』をもっと一般的に国内でも流通して欲しいんですけどね、個人的には

2011/01/14 (Fri) 19:00 | EDIT | REPLY |   
つかぽん  
こんな実験好きです

はじめまして~、こんな人柱実験大好きです(笑)
SiCリングが性能上いかに優れていて古くからある割りに現在これ以上のモノがないのは事実ですが、
ネットで「SiCじゃないガイドは駄目だ」とか言う人を見てそんなことは無いはずなのにとずっと思ってました。
ラインがコイル状になるのは通常時ではありえないテンションで乾燥状態だったからでしょうね。
90年代に購入した初代コンバットスティックのゴールドサーメットリングモデルが手元にあります。
過去に溝が出来たなんて言う人が居ましたが、気持ち模様のようなものが見える気がする程度です。
長く使えばいくらか磨耗するのかもしれません。
より硬度の低いハードロイならより顕著かもしれませんが、輝きが無いので確認しづらいです(汗)
ラインそのものの磨耗毛羽立ちはスプールでクロスラップされたライン同士が、
キャスト時やドラグ作動時に干渉しているほうが影響は大きいと思っています。
他にはささくれ立った人差し指でサミングしているとか(笑)
ジギング等釣りのジャンルが違えばSiCリング以外は排他されるのかもしれませんけど。

2011/01/14 (Fri) 20:49 | EDIT | REPLY |   
ばんぱく  
Re: こんな実験好きです

つかぽんさん、はじめまして。初コメントありがとうございます

> SiCリングが性能上いかに優れていて古くからある割りに現在これ以上のモノがないのは事実ですが、
> ネットで「SiCじゃないガイドは駄目だ」とか言う人を見てそんなことは無いはずなのにとずっと思ってました。

そうですね。世界的に見たらSICガイドが一般的なのは寧ろ日本市場だけで、アメリカなどでは『ハードロイ系ガイド』が主流であり、いわゆるバスプロと呼ばれる人たちも『ハードロイ系ガイド』を搭載したロッドで、PEライン(ブレイデッドライン)を普通に使っているんですよね。「SICじゃないガイドは駄目だ」というのは、言うなればガイドメーカーやロッドメーカーの市場戦略に上手くのせられている訳です

> 90年代に購入した初代コンバットスティックのゴールドサーメットリングモデルが手元にあります。
> 過去に溝が出来たなんて言う人が居ましたが、気持ち模様のようなものが見える気がする程度です。
> より硬度の低いハードロイならより顕著かもしれませんが、輝きが無いので確認しづらいです(汗)

ゴールドサーメットリングはセラミックにチタンメッキを施したようなものなので、実はそのメッキ部分?がPEラインで削れてしまうんです。ビッカース硬度で比較すると『SIC:2400HV』『ゴールドサーメット:1400HV』『ハードロイ:1100HV』とゴールドサーメットとハードロイとは実は300HVくらいしか硬さが違わないので、実はチタンの分だけ硬いハードロイ系ガイドみたいなものなんです

> ラインそのものの磨耗毛羽立ちはスプールでクロスラップされたライン同士が、
> キャスト時やドラグ作動時に干渉しているほうが影響は大きいと思っています。
> 他にはささくれ立った人差し指でサミングしているとか(笑)

自分もガイドリングの種類云々よりも、ラインそのものの磨耗や毛羽立ちは、ご指摘通りアングラーによるラインの扱い方による影響が一番大きいと思います。

2011/01/14 (Fri) 22:08 | EDIT | REPLY |   
ペロちゃん  

SICも削れますね…
2年位使い続けたラパラのロッドのトップガイドが削れました。
まぁ何回もラインは替わってるので、材質によるラインの摩耗はほとんど無いと言えますが(笑)

Boot120をロッドを立てて連続ジャークしたのが原因だと思います。

見てみたいなら…と思ったものの、取り替えた時に棄ててしまいました(笑)

2011/01/16 (Sun) 07:44 | EDIT | REPLY |   
ばんぱく  

ペロちゃんさん、こんばんは。コメントありがとうございます

> 2年位使い続けたラパラのロッドのトップガイドが削れました。
> まぁ何回もラインは替わってるので、材質によるラインの摩耗はほとんど無いと言えますが(笑)
> Boot120をロッドを立てて連続ジャークしたのが原因だと思います。

やっぱりSICでもハードな使い方を続けると削れてしまうんですねーv-405。もっともトップガイドは一番荷重が掛かる部分なので、抵抗の大きなルアーでジャークメインの使い方を長期間していると、どうしても磨耗してしまうのかもしれません

2011/01/16 (Sun) 23:13 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply

Trackbacks 1

Click to send a trackback(FC2 User)
この記事へのトラックバック
  •  あるこないと vs はいあろい
  •  コメントにも記したブレイデッドラインを使用し摩耗がリングの材質でどれほど違うのか実験してみました。使用したタックルは ライン:パワープロ0.8号 ガイド:フジ製アルコナイトリング、パシフィックベイ...
  • 2011.01.14 (Fri) 08:28 | Bass anglers always have pride in their catch that is the BASS ANGLER SPIRIT